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管理医療機器の使用目的とは?添付文書から読み解く注意点と検索方法

管理医療機器の使用目的とは?添付文書から読み解く注意点と検索方法

管理医療機器とは?

管理医療機器の定義と分類

管理医療機器とは、その使用が人体に与えるリスクが比較的高いと判断され、適切な管理が必要とされる医療機器です。
具体的には、厚生労働大臣によって指定されます。
管理医療機器に分類される医療機器の例としては、一部の透析器や輸液ポンプ、特定の種類のカテーテルなどが挙げられます。
これらの機器は、誤った使用方法や不適切な管理が行われた場合、患者様の健康に重大な影響を及ぼす可能性があります。
そのため、管理医療機器を使用する際には、添付文書に記載されている使用目的、使用方法、禁忌事項、副作用などの情報を十分に理解し、遵守することが不可欠です。
また、医療機関においては、管理医療機器の適切な保管、点検、保守管理体制を整備し、医療従事者に対する教育・訓練を徹底することで、安全な医療の提供に努める必要があります。

高度管理医療機器との違い

管理医療機器と高度管理医療機器は、どちらも人体に与えるリスクに応じて分類された医療機器ですが、そのリスクの程度と管理の厳格さが異なります。
高度管理医療機器は、管理医療機器よりもさらにリスクが高く、万が一、不具合が生じた場合に、生命の危険に直結する可能性があるものが含まれます。
例えば、ペースメーカー、人工呼吸器、一部の人工血管などが該当します。
そのため、高度管理医療機器は、管理医療機器よりもさらに厳格な品質管理、安全性確保、使用管理が求められます。
具体的には、製造販売業者に対する許可要件が厳しく、医療機関における安全管理体制の整備、医療従事者に対する専門的な教育・訓練の実施などが義務付けられています。
どちらの区分に属するかは、製品の添付文書や製品情報に記載されているので、必ず確認するようにしましょう。

具体的な管理医療機器の例

具体的な管理医療機器の例としては、ディスポーザブルの透析回路や、特定の種類の輸液ポンプ、血管造影に用いるカテーテルなどがあります。
これらの機器は、適切な使用方法と管理が不可欠であり、医療従事者は製品の添付文書を熟読し、正しい知識と技術をもって取り扱う必要があります。
例えば、透析回路の場合、回路の接続方法、プライミングの手順、透析液の設定などを誤ると、患者様の血液に細菌が混入したり、適切な透析が行われなかったりする可能性があります。
輸液ポンプの場合、輸液速度の設定ミスや、閉塞アラームへの対応遅れなどが、患者様の状態悪化につながることがあります。
したがって、これらの機器を使用する際には、添付文書に記載された使用目的、操作方法、安全上の注意点などを十分に理解し、遵守することが重要です。

添付文書における使用目的の確認方法

添付文書の構成と記載内容

医療機器の添付文書は、製品を安全かつ効果的に使用するために必要な情報が網羅された、非常に重要なドキュメントです。
添付文書の構成は、一般的に、製品名、一般的名称、製造販売業者名、使用目的、効能・効果、使用方法、禁忌・禁止事項、使用上の注意、保管方法、耐用期間、製造番号などで構成されています。
添付文書には、製品の特性、操作方法、安全性に関する情報が詳細に記載されており、医療従事者は使用前に必ず添付文書全体を注意深く読み、その内容を十分に理解する必要があります。
特に、使用目的、禁忌・禁止事項、使用上の注意は、患者様の安全に直接関わる重要な情報であるため、特に注意して確認する必要があります。
また、添付文書は、製品のライフサイクルを通じて常に最新の情報に更新される可能性があるため、定期的に確認することが重要です。

使用目的の記載箇所

添付文書における使用目的の記載箇所は、通常、添付文書の冒頭部分、または製品概要の項目に明記されています。
使用目的は、その医療機器が、どのような疾患や症状に対して、どのような目的で使用されるのかを具体的に示すものです。
例えば、「○○の治療を目的とする」や、「○○の診断補助を目的とする」といった形で記載されています。
使用目的の記述は、医療従事者が適切な患者様に、適切な医療機器を選択するために重要な情報となります。
また、添付文書に記載された使用目的以外での使用は、予期せぬ副作用や事故につながる可能性があるため、厳に慎む必要があります。
もし、添付文書を読んでも、使用目的が不明確な場合や、疑問点がある場合は、製造販売業者に直接問い合わせて確認することが重要です。

使用目的と効果・効能の違い

医療機器の使用目的と効果・効能は、しばしば混同されがちですが、それぞれ異なる意味を持っています。
使用目的は、その医療機器が、どのような目的で使用されるかを示すものであり、例えば、「創傷被覆」、「疼痛緩和」、「感染予防」などが該当します。
一方、効果・効能は、その医療機器を使用することで、実際にどのような効果が得られるかを示すものであり、例えば、「創傷治癒の促進」、「疼痛の軽減」、「感染リスクの低減」などが該当します。
つまり、使用目的は、医療機器の「何のために使うのか」という目的を指し、効果・効能は、医療機器を使うことで「どうなるのか」という結果を指します。
これらの違いを理解することは、医療従事者が適切な医療機器を選択し、安全かつ効果的に使用するために重要です。
添付文書を注意深く読み、それぞれの内容を正確に把握するように努めましょう。

使用目的を逸脱した場合のリスク

重大な健康被害のリスク

医療機器を添付文書に記載された使用目的以外で使用した場合、期待される効果が得られないばかりか、患者様に重大な健康被害をもたらす可能性があります。
例えば、ある医療機器が特定の疾患の治療を目的として設計されている場合、別の疾患に使用しても効果がないだけでなく、症状を悪化させたり、新たな合併症を引き起こしたりする可能性があります。
また、医療機器の設計や製造は、特定の使用目的を前提として行われているため、使用目的を逸脱した場合、機器の性能が十分に発揮されなかったり、予期せぬ故障や事故につながるリスクも高まります。
さらに、添付文書に記載されていない使用方法で使用した場合、製造販売業者は安全性を保証することができません。
そのため、医療従事者は、添付文書に記載された使用目的、使用方法、禁忌事項などを遵守し、根拠に基づいた医療を提供する必要があります。

法的責任と倫理的責任

医療従事者は、医療機器を適切に使用し、患者様の安全を守るために、法的責任と倫理的責任を負っています。
法的責任とは、医療関係法規や関連法規に基づいて、医療行為を行う義務を指します。
医療機器の使用においては、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)などを遵守し、添付文書に記載された使用方法や禁忌事項を守る必要があります。
倫理的責任とは、医療従事者としての良心に基づいて、患者様の最善の利益を考慮し、医療行為を行う義務を指します。
医療機器の使用においては、患者様に対して十分な説明を行い、同意を得た上で、適切な医療を提供する必要があります。
これらの法的責任と倫理的責任を果たすためには、医療従事者は、常に知識と技術の向上に努め、最新の情報に基づいて医療を行うとともに、患者様の権利を尊重し、信頼関係を築くことが重要です。

具体的な事例と対策

過去には、医療機器の使用目的を誤ったことによる事故が数多く報告されています。
例えば、ある事例では、特定のカテーテルが血管造影検査専用であるにもかかわらず、別の目的で使用されたため、血管損傷を引き起こし、患者様に重篤な後遺症が残りました。
また、別の事例では、輸液ポンプの設定ミスにより、患者様に過剰な輸液が投与され、肺水腫を引き起こし、生命の危機に瀕しました。
これらの事例から、医療従事者は、医療機器の使用目的を正確に理解し、添付文書を遵守することの重要性を学ぶ必要があります。
事故を未然に防ぐための対策としては、定期的な研修や勉強会を開催し、医療従事者の知識と意識の向上を図ることが重要です。
また、医療機器の使用前には、必ず添付文書を確認し、使用目的や操作方法を再確認する習慣をつけることが大切です。
さらに、医療機関全体で、医療機器の安全管理体制を強化し、事故発生時の対応手順を整備することも重要です。

医療機器情報検索の活用

PMDA医療機器情報検索の利用

PMDA(医薬品医療機器総合機構)が提供する、医療機器情報検索は、医療機器に関する情報を効率的に入手するための、非常に有用なツールです。
この検索システムを利用することで、医療機器の添付文書、製品の基本情報、安全性に関する情報などを、インターネットを通じて簡単に入手することができます。
検索方法は、製品名、一般的名称、製造販売業者名など、様々なキーワードに対応しており、目的の情報に迅速にアクセスすることが可能です。
特に、添付文書は、医療機器を安全かつ効果的に使用するために不可欠な情報源であり、PMDA医療機器情報検索を通じて、常に最新の情報を確認することが重要です。
また、PMDA医療機器情報検索は、医療従事者だけでなく、患者様や一般の方々も利用することができるため、医療機器に関する知識を深めるためのツールとしても活用できます。

添付文書以外の情報源

医療機器に関する情報を得るためには、添付文書だけでなく、様々な情報源を活用することが重要です。
例えば、製造販売業者のウェブサイトでは、製品に関する詳細な情報、技術資料、FAQなどが提供されている場合があります。
また、学術文献や論文データベースを検索することで、製品の臨床データや安全性に関する研究結果を入手することができます。
さらに、医療機器に関するセミナーや講演会に参加することで、専門家から直接知識や情報を得ることができます。
これらの情報源を組み合わせることで、医療機器に関するより深い理解を得ることができ、安全かつ効果的な使用に繋げることができます。
ただし、インターネット上の情報には、誤った情報や古い情報が含まれている可能性もあるため、情報の信頼性を確認することが重要です。

GS1コードによる情報取得

GS1コードは、医療機器に付与された国際標準のバーコードであり、製品に関する様々な情報を効率的に取得するために活用できます。
GS1コードを専用のリーダーで読み取ることで、製品名、製造番号、有効期限などの情報を、瞬時に確認することができます。
これにより、誤った製品の使用を防ぎ、トレーサビリティを確保することができます。
また、GS1コードを活用することで、医療機器の在庫管理や、使用履歴の管理を効率化することも可能です。
GS1コードは、医療安全の向上に貢献するだけでなく、医療現場の業務効率化にも役立つツールとして、ますます重要性が高まっています。
医療機関においては、GS1コードの導入を積極的に検討し、その活用を推進することが望ましいです。

まとめ

管理医療機器の使用目的を正確に理解し、添付文書を詳細に読み込むことは、医療安全を確保するための基盤となります。
PMDAの医療機器情報検索システムのようなツールを有効に活用し、常に最新の情報にアクセスできるように心がけましょう。
患者様の安全を最優先に考え、日々の業務において、使用前の確認を徹底することが重要です。
医療機器の適切な使用は、患者様へのより良い医療提供に不可欠であり、医療従事者一人ひとりの責任ある行動が求められます。
今後も、医療機器に関する知識と理解を深め、安全で質の高い医療を提供できるよう努めていきましょう。
患者様からの信頼を得るためにも、常に最新の情報を把握し、自己研鑽を怠らない姿勢が大切です。

記事監修

この記事の監修は

株式会社トラスクエタ 代表取締役
高橋 聡

デジタルマーケティング・業法対応(薬機法・景表法)のプロフェッショナリスト。
単品リピート通販のランディングページなど、 インターネットからの来客数(EC、リアル店舗)を増やすデジタルプロモーションに実績を持つ。
美容系サプリや健康食品など、累計400サイトのデジタルマーケティングに携わり、売上アップや集客のメソッドを提供してきた。
年商1億円未満の小中事業者のお悩みから、上場企業の大型案件まで幅広く対応。登壇したセミナーには今まで200社以上が参加。

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