TRUSQUETTA Insights

業界情報・法規制の分析・ケーススタディ情報

医療広告ガイドラインの動向と遵守ポイント

医療広告ガイドラインの動向と遵守ポイント

医療広告ガイドラインの基本

医療広告ガイドラインとは?

医療広告ガイドラインは、医療法に基づき、医療に関する広告が適正に行われるための基準を定めたものです。
このガイドラインは、患者や消費者が医療に関する情報を正確に理解し、適切な医療機関を選択できるよう、不適切な広告を規制することを目的としています。
対象となる広告媒体は、ウェブサイト、パンフレット、チラシ、SNSなど多岐にわたります。
医療機関が提供するサービス内容や治療効果に関する情報を広告として発信する際には、このガイドラインを遵守する必要があります。
医療広告ガイドラインは、医療の質を維持し、患者の安全を確保するために非常に重要な役割を果たしています。

令和3年4月1日施行の改正ポイント

令和3年4月1日に施行された医療広告ガイドラインの改正では、主にインターネット広告に関する規制が強化されました。
具体的には、ウェブサイトやSNSにおける広告表現がより厳格に管理されるようになり、誇大広告や虚偽広告を排除するための措置が強化されています。
また、患者の体験談や口コミを広告として利用する際の注意点も明確化され、誤解を招く可能性のある表現が規制されるようになりました。
改正後のガイドラインでは、広告主である医療機関が、広告内容の正確性を確保する責任がより一層明確化されています。
これらの改正は、患者がより正確な情報に基づき医療機関を選択できるようになることを目的としています。

過去のガイドラインとの比較

過去のガイドラインと比較すると、今回の改正では、特にインターネット広告に対する規制が大幅に強化されている点が大きな違いです。
以前のガイドラインでは、インターネット広告に関する具体的な規定が少なかったため、広告内容が不適切であるにもかかわらず、規制の対象とならないケースがありました。 しかし、今回の改正により、インターネット広告における表現の自由度が制限される一方で、より透明性が高く、信頼性の高い情報提供が求められるようになりました。
また、患者の体験談の利用に関しても、以前よりも厳格な規定が設けられ、虚偽または誤解を招く可能性のある情報の掲載が難しくなっています。
これらの改正は、医療広告の信頼性を高め、消費者を保護するための重要なステップです。

広告可能な内容と禁止事項

広告可能な医療情報

医療広告において広告可能な情報は、医療機関の名称、所在地、診療時間、診療科目、医療従事者の氏名や経歴など、客観的に証明可能な事実に限られます。
また、提供する医療サービスの内容や料金、使用する医療機器の種類、施設に関する情報なども広告することができます。
ただし、これらの情報も事実に基づいている必要があり、誇大広告や虚偽広告とみなされるような表現は禁止されています。
広告可能な情報であっても、患者に誤解を与える可能性のある表現は避け、正確かつ客観的な情報を提供するように心がける必要があります。
さらに、医療行為の結果や効果については、個々の患者によって異なるため、一般的に断定的な表現は避けるべきです。

禁止されている広告表現

医療広告ガイドラインでは、誇大広告、虚偽広告、未承認医療に関する広告、患者を誘引する目的の過剰な宣伝などが禁止されています。
例えば、「絶対に治る」「必ず効果がある」といった断定的な表現や、他医療機関と比較して自院が優れているかのように誤解させる表現は禁止されています。
また、未承認の医療技術や医薬品に関する広告も、消費者の健康と安全を脅かす可能性があるため、厳しく規制されています。
さらに、患者の不安を煽るような表現や、医療に関する不確かな情報を流布するような行為も禁止されています。
広告を作成する際には、これらの禁止事項を十分に理解し、法令を遵守した適切な表現を心がける必要があります。

医療広告における具体的な表現例

ホームページでの広告表現

医療機関のホームページは、多くの患者が情報を得るための重要なツールです。
ホームページで広告を行う際には、医療法や医療広告ガイドラインを遵守することが不可欠です。
例えば、治療効果を保証するような断定的な表現や、患者の体験談を過度に強調する表現は避けるべきです。
また、医療機関のスタッフの写真を掲載する際には、適切な資格や氏名を明示する必要があります。
ウェブサイトのデザインについても、過度に派手な色使いや、誤解を招くようなアニメーションの使用は避けるべきです。
情報を掲載する際には、正確かつ最新の情報を提供し、閲覧者が容易に理解できるように配慮することが重要です。

SNSでの広告表現

SNSは、医療機関が患者とコミュニケーションを取る上で、非常に強力なツールとなり得ます。
しかし、SNSで広告を行う際には、特に注意が必要です。
投稿内容によっては、医療広告ガイドラインに違反する可能性があるので、慎重に内容を選択する必要があります。 例えば、特定の治療法を過度に推奨するような投稿や、患者のプライバシーに関わる情報を無断で公開する行為は絶対に避けるべきです。
また、SNSでのキャンペーンやプレゼント企画を実施する場合にも、景品表示法などの関連法規を遵守する必要があります。
SNSでの広告表現は、炎上やクレームにつながる可能性もあるため、慎重な運用が求められます。

違反事例と罰則

違反事例の紹介

過去には、医療広告ガイドラインに違反したとして、行政処分を受けた医療機関が多数存在します。
例えば、ウェブサイトで「〇〇治療で必ず完治する」といった虚偽の広告を掲載した事例や、未承認の医療機器を「最新医療」と偽って宣伝した事例があります。
また、患者の体験談を過度に強調し、あたかも全ての患者に同様の効果があるかのように誤解させた事例も報告されています。
これらの違反事例からわかるように、医療広告は、患者の健康と安全に直接関わるため、非常に厳しく規制されています。
医療機関は、過去の違反事例を参考に、自らの広告表現を見直し、法令を遵守した適切な広告活動を行う必要があります。

違反した場合の罰則

医療広告ガイドラインに違反した場合、医療法に基づき、行政指導、業務停止命令、場合によっては刑事罰が科される可能性があります。
違反内容によっては、医療機関のウェブサイトや広告の掲載停止、広告内容の是正命令が出されることもあります。
また、違反を繰り返す医療機関に対しては、より厳しい処分が科される可能性もあります。
医療機関は、常に法令を遵守し、患者や社会からの信頼を損なわないように努めることが重要です。
医療広告ガイドライン違反は、医療機関の評判を著しく低下させ、患者の信頼を失う大きな要因となるため、絶対に避けるべきです。

相談窓口と関連情報

相談窓口一覧

医療広告に関する疑問や不明点がある場合は、厚生労働省や各都道府県の医療広告相談窓口に相談することができます。
これらの窓口では、医療広告ガイドラインに関する最新情報や、具体的な広告表現に関するアドバイスを受けることができます。
また、医療関係団体や法律事務所でも、医療広告に関する相談に応じてくれる場合があります。
これらの相談窓口を積極的に活用することで、法令を遵守した適切な広告運用が可能になります。
相談する際には、広告内容や表現方法に関する具体的な情報を準備しておくと、よりスムーズに相談を進めることができます。

関連リンク集

医療広告ガイドラインに関するより詳しい情報を得るためには、厚生労働省のウェブサイトや関連団体のウェブサイトを確認することがおすすめです。
厚生労働省のウェブサイトでは、最新の医療広告ガイドラインや、違反事例に関する情報が掲載されています。
また、各都道府県の医療広告相談窓口の連絡先や、相談方法についても掲載されている場合があります。
さらに、医療関係団体や法律事務所のウェブサイトでも、医療広告に関する専門的な情報や解説記事が公開されています。
これらのリンク集を活用して、医療広告に関する理解を深め、適切な広告運用を心がけることが重要です。
これらの情報は、広告担当者だけでなく、医療機関の職員全員が共有することが望ましいです。

記事監修

高橋 聡

この記事の監修は

株式会社トラスクエタ 代表取締役
高橋 聡

デジタルマーケティング・業法対応(薬機法・景表法)のプロフェッショナリスト。
単品リピート通販のランディングページなど、 インターネットからの来客数(EC、リアル店舗)を増やすデジタルプロモーションに実績を持つ。
美容系サプリや健康食品など、累計400サイトのデジタルマーケティングに携わり、売上アップや集客のメソッドを提供してきた。
年商1億円未満の小中事業者のお悩みから、上場企業の大型案件まで幅広く対応。登壇したセミナーには今まで200社以上が参加。

お問い合わせはこちら



    当社プライバシーポリシーに同意頂ける場合は「同意する」にチェックを付け「入力内容の確認」ボタンをクリックしてください。